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半・社会人の取りとめもない雑記。


by yuu-siesta

「サトラレ」<Movie>

「サトラレ」<Movie>_b0059677_22342075.jpg「乖離性意志伝播過剰障害」という先天的な障害。
これは、頭で思ってること・考えてること(=思念)が、テレパシーで半径10m以内の人間の頭の中に伝わってしまうというもの。
この障害を持つ人間を「サトラレ」と呼び、彼らは高いIQの持ち主。
それゆえ、サトラレは発見されしだい、国が保護することとなっている。
サトラレは自分がサトラレであるとわかると自殺してしまうケースがあるため、彼らは保護地域の中で、国の完全な監視下で何も知らされず暮らす。
日本に存在するサトラレは6人で、7人目が主人公の里見健一。
彼も例外に漏れず、高いIQを持ち合わせ、医師を目指している。

最後は、唯一の肉親である祖母が末期の膵臓ガンに侵され、自ら初めて執刀する。
その腕は初めてのオペとは思えないほどの腕なのだが、ガンは転移しており祖母は助からないことを悟りながらも、「もう治るよ」と祖母に伝える。
祖母は、「立派になってくれてありがとう」と伝える。
その間も、健一の頭の中にある「ばあちゃん、ごめん」という言葉は伝わる。
祖母は笑顔で答える。

本当にありえないストーリーで、「無理やりな!」って感じなんだけど。
3回くらい泣かされた。
何で泣かされたって、おばあちゃんと健一の絆。
おばあちゃんの愛情の深さ。
そこに尽きる!
「健一はサトラレというよりは、嘘をつけない声のおっきな正直者なんです」
なんていう心の広さと愛情なんだろうか。
健一の「ばあちゃん、ごめん」という台詞もぐっときました。

私は、日本社会がグルになって、サトラレをバカにしているようで気に食わなかった。
自分がサトラレだったら、どうしよう、とも考えた。
辛すぎて、生きてかれない。
嘘をつけないって本当に辛いことで、物語の中で寺尾聰の、「一番やっかいなのは他人につく嘘じゃなくて、自分につく嘘なんですよ」という台詞が印象的だった。
サトラレを題材に、嘘をつくこと、が一番のテーマだった気がする。
嘘をつけない健一は、本当に素直で純粋な青年に見えた。

すごかったのは、キャスト。
豪華すぎて、脇役が脇役じゃなくなってました。
エンディングもクリスタルケイだし、情景もキレイだし。
安藤政信はかっこいいし!!
たいした内容じゃないけれど、面白い映画ではありました。
by yuu-siesta | 2005-02-18 22:33 | ★Books,etc★